デザイン 名刺を検討する
生物学的にも、そうプログラムされているのだと思います。
子どもが大人のまねをしたがらなければ、大人のさまざまな言動のパターンを身につけることができませんから、やはり大人のまねをしたがるということは、生物学的なプログラムなのだと思います。
動物は、大人のまねをすることで成長していきます。
子どもが大人のまねをしたがること自体は何ら異常ではないし、私はたぶん昔からあったことだと思います。
ところが、昔は大人のまねをしたがる子どもたちは、本を読むとか知的なことでまねたり、ちょっとアルバイトをしてお金を稼いで、稼いだお金で親に何かを買ってあげるとか、もっと建設的な面で背伸びをしていたと思います。
現代の子は、苦労せずに非常に短絡的に大人のまねをしたがっています。
酒を飲む、タバコを吸う、売春をする、ブランドもののバッグを買う、というようなことで「大人」を演じている。
そうした行為は、大人のまねでも何でもないことを、はっきりさせていかないといけません。
「お前、こんな本も読めないで大人と言えるか」と指摘すべきです。
売春でお金を稼いでブランド品が買えたとしても、残念ながら日本の法律では売春は立派な商売とは言えません。
売春が公認されている外国であれば、「売春も商売だ」と開きなおることができるでしょう。
日本ではそういう開きなおりはできません。
「あなたは大人のまねをしているのではなく、犯罪者のまねをしているんだ」ということになるでしょう。
大人になることが単純化している。
性的な行為やタバコ、酒、そうしたものによって人聞は大人になるという錯覚を取り払わなくてはいけません。
そういう錯覚が生まれるのは、酒やタバコ、淫行条例などを年齢で区切っているからでしょう。
酒もタバコもセックスも、法律的にはいわゆる子どもにはできないことにしてしまったわけです。
すると、逆にそれをすれば大人になったと子どもは錯覚しやすいのです。
こういう錯覚を社会が醸成しなければ、子どもたちはこの手の錯覚をもつことができないのですが、みんなが黙認していることが大きな問題だと私は思います。
この対策は二つ考えられるでしょう。
例えば、いわゆる淫行条例(地域により青少年保護育成条例などと呼ぶ)は、法的に見れば高校生どうしが性行為をしても適応されるはずです。
ところが、大人が高校生を相手にしたときだけ、捕まる対象になっているのが実情です。
このような法の適応が、法の趣旨をゆがめています。
本来なら未成年の子どもたちが、興味本位の性行為で害を受けるのを防ぐための法のはずです。
これは男女とも同じで、男性であっても四歳未満の子どもであれば、性行為によって害を受けなくて済むように保護されています。
実際、女性教師が凶歳の男子と性行為をして捕まった事例があります。
20歳未満の男女の性行為は、まだ分別があってしているわけではないし、多くの場合、女性の側が妊娠のリスクを、男女ともに性病のリスクを負うので、当然ながら身体に悪いことを相手に行った、という罪と自分自身への身体の保護のために、きちんと取り締まるべきです。
場合によっては、「2人とも、しばらく少年院に入っていなさい」ということがあってもいいし、特に男性の側が「セックスをさせないと別れるぞ」と脅してセックスを強要した場合は、かなり厳しく対処してもいいはずです。
タバコや酒も、そのくらい厳しく取り締まれば、そんなことが決して大人のまねではないことに子どもは気づくでしょうし、彼らの身体への悪影響は減るはずです。
これが1つの解決法です。
もう1つは「大人にならないとできないもの」が法的に酒やタバコにセックスだから、それをすることで大人になるかのような錯覚を子どもに与えてしまうという考え方です。
ですから逆に「これができなければ大人になれない、大人とは認めない」という別のハードルを用意する考え方があります。
アメリカでは選挙人名簿に名前を登録しない限り選挙権を得られません。
そうした書類にサインができる知的レベルがない人、自分から登録に行く程度の知識がない人は、ずっと選挙権がもらえないわけです。
つまり、国籍があるだけでは選挙人名簿はもらえません。
自分から「20歳になりましたから選挙権をください」と登録をしに行かなければいけない。
そのくらいのハードルを設定して、「大人試験」のようなものを用意したほうがいいと思います。
最低限の知的レベルがなければ大人とみなさない、新聞も読めない人は大人ではない、と(もちろん障害者は除きますが)。
そうすれば「背伸びをしたい」心理が別方向に働くでしょう。
現実に、飛び級や大検の年齢がオープンになったりすると、それを受けたがる人が必ず出てきます。
知的レベルの高い人の背伸びの仕方というのは、そちらの方向に向かっていくのです。
物事の見方が少し違うだけだと思うのです。
少なくとも、大人になりたがる心理そのものは、悪いことではありません。
ただ、方向性が根本的に間違っていることが問題ですし、それを批判しないことは問題です。
大人になることの「意味」を若者の間で変えていかないと、いびつな背伸びのために傷つくのは若者自身なのです。
若い人の「背伸びしたい心理」が別方向に働くようにすべき。
大人と認められるための知的なハードルが低くなっている例はまだあります。
例えば、今どき卒業試験をやっている高校などありません。
高校で卒業試験をやらないから、分数のできない大学生が出現しています。
早稲田や慶応の大学生が分数ができないとか、2次方程式に至つては7割ができない。
これは入学試験の科目に数学がないからだとされています。
しかし、それ以上に大きな原因は、高校で卒業試験どころか、中間・期末試験で赤点を取っても次の学年に上げていることでしょう。
2次方程式を高校の3年間で1回も使わないという事態はあり得ないことです。
それなのに、大学生になってもできない子どもがいるのは、ズルズルと、誰でも卒業できる状況が中・高・大学と一貫して続いているためでしょう。
かくして、大人とはいえない学力のまま大学生になり、大人になったような勘違いをする人がたくさん出現するおかしな事態になっています。
さらに悪いことに「2009年問題」といって、その年に大学の入学定員と志願者数が逆転し、名前さえ書けば、大学を選ばなければ誰でも大学生になれる状況が起きます。
その結果、入試を実施する大学は2割くらいになるだろうと言われています。
なぜかというと、今でも10%は占める「Fランク」という、発表される合格者数(通常は定員の1・ら倍から2倍とされる)に志願者数が満たない大学が、全体の4割くらいに増えるだろうと考えられていますし、推薦入学がかなり増えるからです。
大学側としても早めに人数を確保したいので、推薦入学で多くの生徒をとりたいという傾向が強まります。
すると、高3の1年間は「さらに遊ぶ生活」が待っています。
そういう時代になれば、いわゆる大人になるだけの知的能力がないまま、ますます安易に「大人資格」を得る人が生まれてしまうわけです。
表面的には大人だけれど、中身がついてこない人がたくさん生み出されてきます。
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